2013年11月27日水曜日

シンプル・プラン


★★★★★★★★★☆(私の評価)
墜落した飛行機の中から大金を見つけ、くすねる計画をたてるサスペンス。
1998年、アメリカ、122分

【事件-13分】 440万ドルを見つける。

【1stTP-30分】 50万ドルだけ飛行機に戻しに行くと、兄が近所のおじいさんにバレてしまうことを恐れて殺してしまった。その死体を主人公は事故に見せかけようと運んでいると、実は死んでおらず起き上がり「お前の兄に殴られたから警察を呼べ」と騒ぐ。そこで主人公は意を決して再度殺す。

エピソード

  1. 父親がお金に困っていたのは、主人公が大学に行ったためだと知る。
  2. 妻、図書館で誘拐犯の身代金であったことを調べあげる。
  3. 子供が生まれる。
  4. 友人ルーをはめ、自供している所をテープに収めるよう主人公の妻が提案する。
  5. 兄を家に招く。父親は自殺だったことを知る。
  6. ルーの葬式⇒ルーの家で酔いつぶれている兄を警察が届ける。
  7. 兄の夢。結婚・たくさんの子供・農場で仕事。兄の昔の彼女は、友達と賭けをしていたので自分と付き合ってくれたことを告白。

【MP-72分】 ルーとルーの妻を殺してしまう。
 
【どん底】 FBIが飛行機を捜査に来る。

【2ndTP-97分】 妻から、FBIが偽物で、犯人の一味だということを知る。

【クライマックス】 飛行機を見付けた途端、偽FBIは警察を殺す。その後、主人公が偽FBIを殺す。そこで兄が罪を持ったまま生きていけないから殺してくれと頼む。兄を殺す。
本物のFBIから金の番号がメモられており、使ったらバレることを聞き、全ての金を燃やす。

脚本として学ぶ所

  1. 妻の指示が、賢い指示だと思えるのだが実際やってみると、ハプニングをまねく。
  2. 兄が頭が弱い設定なのが、ストーリーを転がすのにいい役目をしている。ある意味ズルいし卑怯、だって面白くなるじゃん。困ったちゃんを登場させると話が面白くなるということ。
  3. 人を殺してしまった後の右往左往がうまい。主人公の判断に妻がケチをつけたり、妻だったら同じことをしたか?と聞いてみるが、妻は何も言わず抱きしめるだけだったりとか。
  4. 兄のメガネのテープで修理したあとが、いい味(脚本は関係ないが)
  5. クライマックス、FBIのバッジを見せてもらわないで進む展開が、早く言えよとこちらの気持ちをヤキモキさせる。

松本人志著の評価
★★☆☆☆☆☆☆☆☆
当時はビデオで見たのでしょう、字幕が雪の背景の上に白文字で書かれて、読めずに入り込めなかったため評価が低いとのこと。(DVDはしっかり読めるようになっているのは、松本氏のこの本のおかげかもしれない)「わりと好きなタッチ」の映画であるが、最後、偽FBIが簡単に警察に信じられる所から、疑問ばかりが浮かんで来たと、心理ドラマが売りなので、人間の感情として、なんでそういう行動をとるのか理解できない所があり、わけわからん映画になっている。しかし、ブリジット・フォンダの貧乏な生活はイヤだ的なセリフは絶賛していて、泣きそうになったとのこと。

まっちゃんの視点は、すごく勉強になる。ただ、現在進行形の貧乏な男としては、妻にあのセリフ言われたらキツイなと思いながら見てました。



2013年11月22日金曜日

運動靴と赤い金魚


★★★★☆☆☆☆☆☆(私の評価)
イランの貧困層の話。1足の靴を妹と交代で履き学校に行く日々。アリは3位をとると靴がもらえるマラソン大会に出るが、1位を取ってしまいベソをかく。数々の映画祭で賞を受賞した感動作。

【事件-4分】 妹の靴を八百屋の入り口に置き買い物していると、その靴がなくなる。

【1stTP-16分】 アリ(兄)と妹は1足の靴を交代に履いて学校に行くことにする。

エピソード1 妹、アリの待つ場所へ急いでいると片方の靴をドブに流してしまう、通りがかったオジさんに助けてもらうが、片方の靴はビショビショ。

 【MP-45分】 妹、学校で失くなった自分の靴を履いている生徒を見つけるが、その女の子の父親が盲目だとわかり「返してくれ」と言えなくなる。

エピソード2 父親とアリ、庭師のバイトをして稼ぐが、帰り道、自転車のブレーキが効かず怪我。 

【どん底】 妹の靴を捨てて新しい靴を履いて登校する女の子。(以前にペンを拾ってもらった)

【2ndTP-70分】 マラソン大会の3位の景品が靴だとわかり、アリ出場することにする。

【クライマックス】 ライバルに転ばされたりしながら、がんばるアリ。混戦となり1位となってしまい、落ち込む。(父親の買い物のシーンの挿入・自転車にはアリと妹の新しい靴が結んである)、帰ってきたアリの靴が変わっていないのを見て、黙って去る妹。素足になるとアリの足は、傷だらけ。その足に赤い金魚が優しく集まる。

脚本として学ぶ所
1,他の女の子が妹の靴を履いているのが分かるが、そのチャンスをのがす。
2,靴のドブ流れのシーンで助けてくれたオジさんが雑で、また流されそうでハラハラさせられた。
3,靴がないのにマラソン大会に出るという発想。
4,マラソン大会中、妹が走っているカットバック(妹のためアリが必死なのが伝わった)
5,道に水を毎日撒いているババア。



松本人志著の評価
★★★★★★☆☆☆☆
松本氏は、「まあ好きやなあ」という映画と語っている。最後の終わり方には難をつけている。ただ、ハリウッド映画と対比した時に、この映画の地味さが際立って、相対的に評価が高くなってしまう贅沢な映画であるとも語っている。派手な映画ばかりな中だから評価できると。

2013年11月21日木曜日

エイミー




★★☆☆☆☆☆☆☆☆(私の評価)
ロック歌手のパパがステージで感電死するのを目撃し、
聞くことも、しゃべることもできなくなった9歳のエイミー。
引っ越したメルボルンには、風変わりな隣人達がたくさん。
その隣人達と「歌」で会話することによりエイミーは徐々に
明るくなっていく。
エイミーが病弱にみえて、可愛く見えないのが評価が低い理由のひとつ。
開始から75分の2ndTPまで、ストーリーに引き込まれるような魅力を感じなかったのが大きな理由。

【事件-開始8分】 児童福祉局がエイミーついて調査に来たため、メルボルンに引っ越しを決意。

【1stTP-開始33分】隣人の売れないミュージシャン(ロバート)の前で、エイミーが歌い、歌は聞こえるし、歌は唄えることが分かる。

エピソード1 ママのいない間に、エイミーはロバートと公園にお散歩にいく。

 【MP-開始51分】家の外でラジオを抱えて歌っているエイミーにママは直面する。

エピソード2 ママとロバートがお店で飲んでいると、過去の音楽関係者に会い、ママはパパの感電死の情景を思い出し、号泣する。

 エピソード3 隣人の男の子ザックが両親のケンカが治まるのを、表で泣きながら一人待っている。

【2ndTP-開始75分】エイミー、ザック、ザックの母がいる所にザックの父親が来て大乱闘。エイミーはひとり暗闇の倉庫街に逃げていく。エイミーは児童福祉局に捕らえられてしまうが、ママが迎えに来る前に自分で逃げてしまう。ストリート(道)で歌ってお金を稼ぎパンを食べる。

【クライマックス-開始90分】パパの曲が聴こえ、野外ロック会場に向かうエイミー。ママ達と再開する。そこでエイミーはパパの感電死を思い出した。エイミーの記憶は自分がパパをつまずかさせてしまってパパは死んだと思い込んでいた。実際は違ったことをママと医者が思い出させエイミーは、しゃべることができるようになる。隣人たち全員で、エイミーの治癒を喜ぶ。

脚本として学ぶ所は、
何か事件を起こすために「どうしようもない人物」を登場させればなんとかなるということか。
1,家庭内で喧嘩ばかりして飲み呆けているザックの父親。
2,仕事もせずにバルコニーで歌っている売れないミュージシャンのロバート。
3,そのロバートの姉。ちょっと頭がオカシイ。
4,エイミーを執拗に追いかける児童福祉局の男女2人組。
5,道に水を毎日撒いているババア。



松本人志著の評価
★★★★★★☆☆☆☆
松本氏は、この映画の終わり方を褒めている。エイミーが喋れるようになった以外には何も起こらない所を評価している。その他の隣人たちが幸せになったり、ママと売れないミュージシャンが結ばれたりという結末にならないことが、自然で良いと。
また、歌だけは理解できるエイミーの設定は、赤塚不二夫がバカボンで書いているのを先に知っているので、アイデアとしては新しくないとも言っている。
私は、歌が聞こえるのなら声も聞こえると設定に無理があることに松本氏が文句をいってくれるのを予想していた。まだまだ、松本氏の頭には追いつけない。いつか追いつかないまでも理解できるようになりたい。

2013年11月7日木曜日

ウェイクアップ!ネッド

   
★★★★★★★★☆☆(私の評価)
2人のじいさんが、12億円の当選宝くじをネコババするために発奮するコメディ。
バイクに2人乗りするじいさんが、なんとも痛快!

【事件】 新聞で52人しか住んでいない自分の村に50万ポンドの宝くじの当選者がいることを知り、じいさん2人でその人物を探し、分け前を貰おうと企む。

【1stTP-開始25分】パーティーに来なかったネッドの家にじいさん①が行くと当たりの宝くじを持ったまま、ネッドはショック死していた。その日の夜、じいさん①の夢にネッドが出て来る。じいさん①「怒ってるか?」、ネッド「いいや」その夢を期にネコババすることにする。⇒ここのオレンジ色に包まれボートに乗っている夕景のシーンは良いです。

【MP-開始36分】宝くじの当選者だと偽って電話する。
【MP-開始50分】じいさん②が当選者だと偽り、宝くじの調査員と面談。
【MP-開始59分】村人皆にことの事実を話し協力してもらうことにする。

【どん底-開始70分】ばあさんがバラすと言い出す。
【2ndTP-開始71分】ばあさんには公平がいやなら一銭もやらないと意思表明。
【クライマックス-開始74分】ネッドの葬式に宝くじの調査員が来てしまう。機転をきかせマイケルが死んだこととし難をのがれ、小切手を手にし喜ぶ村人たち。
ばあさんがバラすため村を電動車いすで出て行く。途中バッテリーが切れるが、ばあさんは実は歩けたため、徒歩で電話ボックスへ。そこへ調査員の帰りの車がさしかかった時、くしゃみで電話ボックスにツッコミそうになるが回避。しかし対向車がそれを避けようとして電話ボックスに衝突。ばあさん入りの電話ボックスは宙を舞う。ぶつけたのは戻ってきた神父だった。
皆、楽しんで酒を飲んでいるところへ、じいさん①に若い女性が相談に来る。自分の息子は実はネッドの子だと。しかし、その子を実の子だと勘違いしている豚飼いの男を父親として迎えるためにそのことは伏せて生きていくことにすると打ち明ける。
小高い丘に登り、海に向かい漁師だったネッドに乾杯して、完。

脚本として学ぶ所、ひとつの事件を解決するときにもハプニングを起こしストレートでは解決せずにハラハラさせてくれる。また、ばあさんが実は歩けたり、そのばあさんが隣の街まで歩いていくことはできないとバカにしていたら、電話ボックスを使うために移動していたのだったり。
また、じいさん①がネッドになりすますと言っていたのだが、突然調査員が来てしまい自分の名前を正直に言わざるを得なくなり、俺には成りすまして人を騙すことは出来ないと言っていたじいさん②がネッド役をしなければならなくなったりと、ひとつひとつのドタバタが楽しく、やはり素直にストレートに進めるのではなく、ハラハラさせてくれる所は見習わせてもらった。

松本人志著の評価
★★★★★☆☆☆☆☆
松本氏は、最後、ばあちゃんを殺してしまうのはNGとして、この映画はコメディではないと言ってます。この終わり方はマナー違反だともおっしゃっています。
私はこの映画を面白いと思って見た後、マナー違反だという松本氏の意見を読んで、まだしっかりとは理解できていないカンジです。