2013年12月27日金曜日

エニイ・ギブン・サンデー


★★★★★★★☆☆☆(私的な感想)
どん底のアメフトチーム「シャークス」、老コーチの古いやり方と若い女オーナーは対立し、選手達も個人主義に走りバラバラに、老コーチのやり方で再建はできるのか。
1999年、アメリカ、2時間31分

【セットアップ】
  • クォーターバックのキャップ・ルーニー怪我をする。
  • キャップの代わりのタイラーも潰され、若手のウィリー・ビーメンがクォーターバックに入る。
  • オーナーが死に娘(キャメロン・ディアス)がオーナーである。
  • 4連敗中の「シャークス」のコーチのトニー(アル・パチーノ)は先代のオーナーからの古コーチ。
【事件】 
  • 20分 シャークス逆転負け(試合でのキャップの怪我)

【1stTP-32分】 女オーナーとコーチ、選手の人選で衝突。

【MP-75分】トニー宅でウィリーと口論。トニー「自分に落ち度はない、何もかも他人の所為か、だからお前はリーダーになれないんだ。チームの為に自分を犠牲にし、模範を示す、お前は馬鹿で若い」

【どん底】 トニーと女オーナー口論となり、先代がトニーの器を見て、トニーをオーナーにはせず娘をオーナーにした事を聞く。女オーナー「もう歳だからダメだって」

【2ndTP-108分】 「ペップトーク」試合前のロッカールームでコーチが選手のやる気のスイッチを入れるためのショートスピーチ。「無駄に生きるなら、熱く死のうや」


【クライマックス】 
  • キャップ怪我からの復活・活躍
  • 女オーナーがハーフタイムに殴り込みに来る「ウィリーを使え」と。
  • ウィリーが皆に謝り、クォーターバックに入る。
  • シャーク、タックル成功でボーナス達成、しかし気絶し、皆が心配する中、目を開ける。
  • ワシントン自分を捨ててチームの為にボールを運ぶ。
  • ウィリー^がタッチダウンを奪い勝利。
  • エピローグ 1,女オーナーはこのままチームを存続させることにする。2,トニーはチームをクビになるが他チームの総監督となりウィリーを引き抜く。
脚本として学ぶ所
  1. 複数の伏線が最後の試合で勝利に結びつかせる。
  2. アメフトのルールが私はわからないが、ハデな設定は観ていて楽しい。
  3. ペップトーク部分、自分も自分の人生がんばろうと思うくらい良かった。これはギャップ法を使っている。「俺は中年の男が犯すあらゆる過ちをおかした、人間は歳をとるにつれて何かを失う、それが人生ってもんだ」⇔「失ってみて初めて気付く、人生は一歩(1インチ)を争うゲームだ、成功と失敗は紙一重だ(犯す過ちは気づかぬほど小さい)、その1インチを諦めないことが勝敗を決定するからだ!死ぬ覚悟でいどむ者だけがその1インチを獲得する。あと何年生きられるがわからんが、俺はその1インチのために死ぬまで戦い続けようと思う。それが生きるってことだ!無駄に生きるなら、熱く死のうや!、、、、、さあ、どっちにする。」
松本人志著 の評価(2/10)
アメフトがわからんので、僕は論じたらいけないのではないかと言ってます。また人間ドラマも薄っぺらだと。

松本氏がやはりスゴイ。自分がぶれていない。アメフトのルール知らんがなって言っているように感じた。正直、私はぶれぶれでアメフトわからないのは自分が悪いと思ってしまっていた。ブレない自分を作るために映画を観ることしか出来ないが、死ぬ覚悟(恐怖さえ感じるが)で1ミリづつ進んでいる。


2013年12月21日土曜日

TAXi2


★★★★★★★☆☆☆(私的な感想)
マルセイユとパリ郊外を舞台にタクシー運転手のカーチェイスコメディ。
2000年、フランス、88分

【セットアップ】
  • ラリーの車を抜くほど早いTAXI
  • ダニエル(主役)は彼女の家に行かなければならない(彼女がいる)
  • エミリアン(警察)運転が下手だが、免許に合格してしまう。
  • ダニエルの彼女の父親はフランス軍の将軍。
  • エミリアンの同僚の女ペトラ、でかくて強い。
  • 日本の防衛庁長官が1時間後に到着するためエミリアン達は警護にあたる。
【事件】 
  • 18分 彼女の父の車が大破し、空港にダニエルが送ることになる。

【1stTP-30分】 警察が開発した最新の警護車コブラを紹介している途中でエアバックが開いてしまいドライバーが重傷、ダニエルがコブラの運転手の代役に抜擢される。

エピソード
  1. TAXIの中で出産する客
  2. ダニエル運転の「コブラ」で日本防衛庁長官をホテルまで送る。その途中にヤラセで襲撃をフランス警察が用意(38分)
  3. ペトラ耳に無線機を付け、トイレへ、ヤクザにトイレでペトラ誘拐される。
  4. エミリアン待機の場所が忍者(ヤクザ)に襲撃される。
  5. 大型トレーラーが2台止まっている箇所にて、日本防衛庁長官が誘拐される。(47分)
  6. ランエボ3台、船のスクリューの下を徐行するシーンがかっこいい。
  7. 車のタイヤ痕をダニエル見て黒の三菱3台、魚の匂いがすることから埠頭の倉庫がアジトだと推理する。
  8. 倉庫で待ち伏せしていると全く関係ない泥棒が倉庫に入り捕まえる。その際、警察のボスが大怪我する(55分)。
  9. 日本長官のSPユリと組む事に。ヤクザは日本長官に催眠術をかけ、フランスの要人達を調印式の際、暗殺させる計画だとユリから情報を得る。
  10. パリに行くため、空軍機を使用し、パラシュートでTAXIを下ろす。
  11. アジトで日本長官とペトラが催眠術師に操られている所へ、ダニエル・エミリアン・ユリが助けに来る。ペトラの耳の無線機を使って連絡する。
  12. ペトラとユリが忍者をやっつける。(ダニエルはアジトには入って来ないでタクシーで待機)

【どん底】 なし(次のパリ行の飛行機が3時間後で間に合わない)

【2ndTP-55分】 警察のボスが大怪我し、ダニエル・エミリアン・ユリのみで長官とペトラの救助をすることを決意する。

【クライマックス】 
  • TAXIとランエボ3台のカーチェイス。
  • パリ警察に援軍を頼むため、警察署にTAXIごとツッコミ、パリ警察を挑発する。
  • ランエボ1台がTAXIに向かってカミカゼ特攻してくる。TAXIは避けるがパトカーが山のように追突する。
  • トンネルの出口を戦車でふさぎ、TAXIは羽を開き飛び超え、ランエボ3台戦車に囲まれ捕まる。
  • パレードにTAXIが参加していて、END。
脚本として学ぶ所
  1. あまりツジツマを合わせないでもコメディというジャンルなので違和感はない。例:タイヤ痕だけで、三菱の車、魚の匂い、黒い車ということが分かってしまう。パリのアジトをすぐ見つけてしまう。ペトラは誘拐される理由がない(犯人にはペトラは必要ない→ペトラの耳の無線機があることにより、救助の際、ストーリーがフクラむが)
  2. 映画の導入部分がすごい。ラリーカーを抜くTAXI(客の妊婦のため病院に急いでいる)→TAXIの中で出産(病院に着いたが破水しているため)→彼女が電話で出産する女の声を聞いて怒る(赤ちゃんの鳴き声で和解)
  3. エミリアンのキャラ設定が物語をふくらますのに最適。警察、ちょっとドジなくせに自分はできると思っている、弱虫・怖がりだがペトラのためなら頑張る等。
  4. 忍者の動きやカーチェイスは最高のアクション。
  5. スリーアクトに当てはまらない。長官誘拐から取り戻すこと一本槍。
松本人志著 の評価(3/10)

前作「TAXi」が良かったので期待していたのだがダメだったとのこと。
笑いがベタベタすぎる、ただしロケの場所はすきかなぁ。きれいなところではなく、割りとその辺で撮ってる感じが、ちょっと好きなんです。

私もランエボ3台、船のスクリューの下を徐行するシーンがかっこいいと感じました。港にあるクレーンの夕景なんかもいいなぁと。僕はこの映画を日本人がやったらベタ過ぎるかなと分かるのですが、フランス人なので、その僕自身に外人に負い目があるのでしょうか、ベタさを嫌と思わなかったのが悔しいです。


2013年12月16日月曜日

R100

松本人志4作目

納得のスゴさを観せてもらった!
初日の一番早い回を見た。映画館は20人程の入りであった。

正直、映画は面白いかつまらないという判断力で見ていたのだが、全く新しい体験をさせてもらった。SMという世界ではない。痛めつけられることを喜びとする人という、未知の世界に連れて行かれた。

ボンテージのCEOの巨大女が、爆弾をかき分けて古家に向かっているシーンで、
新しい体験をしている自分に喜びに近い感情が湧いているのに気付いた。

終わって、帰る客は、B級な下品なエロ映画を見たような雰囲気の人の声が聞こえてきた。
SMをSEXの一つのプレイと考えている人達であることが、明白で、もったいないと感じた。

そもそも「R100」なのである。あなたもあなたも見てはイケない映画なのである。

世間では、大ゴケと評されているが、それでいいと思う。まともな日本で……



とにかく、松本人志はこの映画で、

全く新しい映画
見たことない映画
今までの映画を超える映画

を完成させた。


「R100」は

金獅子賞
パルムドール

など賞を必ずとる作品である!


TAXi


★★★★★★★☆☆☆(私的な感想)
マルセイユ郊外を舞台にタクシー運転手とドジな刑事のコンビが銀行強盗を追うカーチェイスコメディ。
1998年、フランス、86分

【セットアップ】
  • ダニエル(主役男)ピザ屋を辞めタクシー運転手となる。
  • ダニエルのタクシーはボタン操作で滅茶苦茶早くなる特別仕様。
  • ピザ屋を辞めるタイミングでダニエルに彼女ができる。
  • 運転免許試験に何度も落ちている警官エミリアン。
  • エミリアンは警官仲間の女性ペトラに求愛しているが、軽くアシラワれている。
【事件】 
  • 21分 銀行強盗団から予告状+犯行成功

【1stTP-32分】 免許のない警官エミリアンをTAXIで送ることになるダニエル。エミリアンをIBM社員だと思っているダニエルは、ぶっ飛ばすが、スピード違反で現行犯で検挙。1ヶ月自分の運転手として犯人逮捕に協力してくれたら、スピード違反は許すと捜査協力を強要する。

エピソード
  1. 銀行強盗を張り込んでいて、エミリアンがオシッコ我慢できないことにより、現場が玉突き事故の連鎖。状況混乱して、別件で移動中の大臣の車VS警官の銃撃戦となる。
  2. 警官になるやつはバカだvsタクシーの運転手はろくな奴いない、ダニエルvsエミリアン。
  3. 写真からベンツの特徴にて、犯人はドイツ人、近々タイヤ交換をしなければならない、マルセイユで交換できるのは、ドイツ人のクリューガーだけだと、写真分析するダニエル。
  4. クリューガーは不眠症のため24時間営業している。犯人がタイヤを引き取りに来る。犯人のトランクに隠れてアジトを突き止めようとするエミリアンだが、犯人に見つかりゴミ箱に投げられてしまう。
  5. 帰ってHを始めるダニエルだが、途中でアラームがなり彼女が会社に行ってしまう。
  6. TVドラマからヒントを得て、発信機を犯人の車に取り付けるエミリアン。
  7. 10キロ四方を封鎖。銀のベンツが引っかかるが、現金等証拠なしで見送る。(55分)
  8. ダニエルのHの最中にエミリアン家族が来客。家が火事で全焼したため宿泊させてくれと懇願、免許を返却してくれる。ダニエル、犯人逮捕を早く済ませて解決してやることを決意。
  9. 犯人は銀行のダクトに金を隠していて、掃除係を脅し、金を手に入れた。
  10. 10分で乾く魔法の塗料で犯人は車の色を替えいたと解り、ダニエル塗料屋に電話して「魔法の塗料MD10が欲しい色はカーマインメタル、在庫がない?誰がそんなに買い占めたんだ?」と購入者(サーキット)を聞き出す。
  11. サーキットにいるベンツを煽って賭けレースをする。(スタートの映像だけで、金の受け渡しの映像に切り替わり、犯人達が負けたことが分かる)
  12. 信号機の鍵20と無線機20を用意する。
  13. ペトラのそつない態度を愚痴るエミリアンにダニエルがアドバイス。女を物にしたけりゃ力ずくで奪え!ペトラに必要なのは男だよ、力強い男、胸を張って男らしく攻めろ堂々と奪うんだ!しゃんとしろ!→ペトラに無理やりキス→エミリアン渋い顔で部屋に帰ってきて仕事の話(成功したか否か分からないが、ハシャイデいないので、、、これは最後の会話で明かされるのだが、ペトラにビンタされたようだ。)
  14. 帰ると彼女とエミリアンの母、大麻をやっている。彼女は帰り、エミリアンとダニエルも大麻を。ダ「なぜ警官になった?」、エ「成績も悪いし雇ってくれたのは警察だけだ(バカには警察しかない)」
【MP-60分】 ダニエルのHの最中にエミリアン家族が来客。家が火事で全焼したため宿泊させてくれと懇願、免許を返却してくれる。ダニエル、犯人逮捕を早く済ませて解決してやることを決意。

【どん底】 

  • 68分ダニエル・エミリアン言い争い。
  • 74分招集-クーガー作戦失敗。

【2ndTP-68分】 ダニエル案「奴らを挑発して現行犯逮捕しよう!」

【クライマックス-78分】 

  • トレーラーを発見し、銀色になったベンツを追う。
  • 20箇所の信号を押さえて、どれかを通れば追い詰められる作戦(赤信号にするなど)
  • 赤信号で追い着き、ダニエルが犯人を競争しろとあおる。
  • 信号を変えようとすると警官がいてピンチ。
  • 高速でのカーチェイス、高速道路が途中でなくなっており、犯人たちは空中を飛び、孤島のような一部だけの道路から出れなくなってしまう。
  • 授賞式の倉庫みたいな所でダニエルと彼女、Hする。
  • 国家功労騎士賞をもらう。
  • ペトラが「謝らなきゃエミリアン」、エミリアン「ビンタのこと?」
  • ダニエル、免許の再交付は認められない、しかしいい方法があると警視総監に打針される。
  • ダニエルは警察機動隊スポンサーのレーサーとなる。スタートの信号が変わりEND。


脚本として学ぶ所等
  1. 巻き起こった事件の結果をいちいち説明しない(警察VS大臣の銃撃戦)
  2. 巻き起こった出来事の途中経過を省く。(1回目のベンツとのレース・レースシーンはなく賭けに勝ってお金を払うシーンになる)
  3. あまり、論理的に詰めて説明の映像や、結果を表現しない(最後、犯人は道路に取り残されて終わり、警察に捕まる映像はない)、(警察機動隊スポンサーのレースチームなど)
  4. セリフがいい。・客を乗せて猛スピードで運転中に、客「免停になるぞ」、ダニエル「心配ないよ、無免許だから」、・大麻を吸いながらダニエル「なぜ警官になった?」、エミリアン「バカには警官しかない」、ダニエル「笑う(初めてTAXIに乗せたとき、警官になるやつはバカだと言っていた」・その他にもダニエルと彼女の会話、彼女とエミリアンの母との会話など
  5. あまりはっきりスリーアクトに別けられていない。どん底はないのかもしれない。また、(良くも悪くも)銀行強盗に魅力がなくラストのカタルシスが少し浅く感じた。
松本人志著の評価
TAXI2のコメント時に、前作(この作品TAXI)がよかった。とコメントしている。

2013年12月12日木曜日

バッファロー'66


★★★★★★★★☆☆(私的な感想)
刑務所から出所した男が、実家に帰る際、通りがかりの女を脅迫して妻役とすることから始まるラブストーリー。
1998年、アメリカ、113分

【セットアップ】
  • 幼少期のビリーの写真、1966年バッファロー生まれ、犬のビンゴと共に。
  • 雪の中、刑務所から出所するビリー(小便を我慢している)
  • ダンススクールでレッスンしている娘・レイラ
  • 実家に電話するとアメフトのゲームに夢中な親がいる。
【事件】 
  • 4分~16分 ビリー小便我慢

【1stTP-10分】 実家に電話し、妻を連れて行くと親と約束してしまい、レイラを脅迫して連れて行く。


エピソード
  1. 車で実家に向かう途中、立ちションし、ずっと我慢してたためイライラしていて髪の毛を引っ張ったりして悪かったとレイラに謝る。自分の妻役をお願いする。
  2. ビリーは何か親に対してトラウマがあり、実家玄関で気分が悪くなる。
  3. 四角いテーブルに東西南北それぞれ腰掛けての4人会話(必ず誰かの見た目から撮影している)
  4. チョコアレルギーのビリー(幼少期の回想がワイプがだんだん大きくなって始まる)
  5. 父、ビリーが幼少の頃、ビリーの犬ビンゴにひどい事をする。父、歌手だった(歌をレイラに披露する)。父、ビリーがナイフを向けているとビリーとケンカする。
  6. アメフトチームのバッファローが66年優勝してから一度も勝てない、66年にビリーを産んだからその時は見逃したと母。ビリーを産まなければあの試合が見れたとさらに悔やむ。
  7. バッファローに1万ドル賭けて負けてしまうビリー、借金のカタに身代わりにムショに入る。
  8. 賭けた試合が八百長で、バッファローのスコット選手がワザとゴールを外したと聞き、ムショから出たら、その選手を殺し自分も自殺すると友人のグーンに打ち明ける。
  9. ムショにいることが親にバレないように、手紙を毎月送るようにグーンに頼む。
  10. ボーリング場にて、ビリーのロッカーに昔の彼女の写真、ビリー上手い、レイラのタップシーン、ロッカーより銃を取り出す。証明写真をレイラと2人で撮る(レイラがキスをすると怒り出すビリー)。
  11. ビリー「じゃあな」とボウリング場の外でレイラと別れるが、スコット選手が2時まで店に来ないと知り、ホテルへ。
  12. デニーズにて、ビリーの高校の時の憧れのマドンナと隣り合う。ボーリング場のロッカーの写真と同一人物。
  13. レイラと喧嘩して一人外に出るが、ガソリンスタンドでトイレを借りようとすると「デニーズのを使え」と断られ戻るハメに。便所でビリー「生きていけない」と泣く。
  14. ホテルにて、一緒に風呂に入るがシャイなビリー、ベットでもシャイでキスまでしかしない。
  15. ホテルからスコット選手を殺しにいこうとする所をレイラに見つかる、レイラが告白する。
【MP-62分】 スコット選手の店を電話で調べ「殺してやる」と呟くビリー(ボーリング場にて)
 
【どん底】 レイラに告白される(殺しをするという目的に対して、それを妨げるため・どん底)
      
【2ndTP-98分】 グーンに謝る電話。自分の大切なものをやるといい、殺しをする決意が固まる

【クライマックス】 

  • ストリップする女だらけの店内で、スコット選手(もう引退してただのデブ)の頭を打ち、自分も自殺する。
  • 自分の墓のシーン。母はラジオでアメフトに夢中。父は腹が減ったとビリーの事はそっちのけ
  • 殺したのは、ビリーの想像で、だんだん画面が小さくなり(ワイプのように)ビリーのアップとなる。スコットが酒を汲み、ビリーに差し出すが、ビリー去る。
  • グーンに電話し、「あれはなしだ」ロッカーのものはやらない。
  • はしゃぎながらココアとクッキーを買うビリー
  • ビリーに寄り添って横になっているレイラの映像でEND


脚本として学ぶ所
  1. ビリーのキャラが際立っている。男のつまらない見栄とか意地とか、ビリーが几帳面な性格で、親のことを気にしているのに親はビリーのことなんとも思っていなかったり、面白く感じるのだが、これを私が脚本として書いた場合、誰もいいとは評価しないと直感的に感じた。が、この映画は主演のV・ギャロが監督・脚本・主演・音楽をこなしたとあり理解した。
  2. ワイプ処理は『24 -TWENTY FOUR-』よりもこの作品のほうが先にしていたのだなとビックリ。
松本人志著の評価
★★★★★★★☆☆☆
ヴィンセント・ギャロ、ちょっとおもろいやないかオマエ、とある。
また、女のタップシーン、父の歌うシーンが自然であった。ラストは大甘だけど、ちょっとスキかな。
タランティーノ監督のいいところを、より濃くした感じ。既存の映画の監督がやらなかった手法で撮ろうとしているのではないかと想像できる、と語っています。

2013年12月3日火曜日

処刑人


★★★★★★☆☆☆☆(私の評価)
兄弟が街の悪に天誅を加えるべく真っ向勝負していくアクション。
1999年、アメリカ・カナダ、110分

【セットアップ】
  • 舞台 サウス・ボストン 聖パトリックの祝日(3月17日)
  • 精肉工場勤務の兄弟は教会に通い信心深い一般人(教会のシーン有)
  • 街にはロシアンマフィアが幅を利かせている
  • 兄弟の友人のロッコ(イタリア系マフィア)
【事件】 

  • 9分 ロシアンマフィア2名が死んでいる事件現場にFBI登場
  • 20分 兄弟が自首する(ロシアマフィアを正当防衛で殺した)

【1stTP-27分】 兄弟が監房で寝ているとお告げのような夢を見る「悪を滅ぼし、善なるものを栄えさせよ」

エピソード
  1. ロシアンマフィアのポケベルからボスとの会合がある場所を知る。
  2. ロッコ、イタリアンマフィアのボスを笑い話で笑わせる。
  3. 兄弟、武器を購入し、ロシアンマフィアを全滅させる。
  4. 猫を誤って撃ってしまう。
  5. ロッコハメられたことに気付き仲間を殺す、兄弟は実は誰を成敗すればよいか分からないと打ち明けると、ロッコが悪党のことなら何でも教えてやると息巻く。
  6. のぞき部屋にて、兄弟とロッコ、3名を殺す。
  7. 兄弟の殺しの時のお祈りは、先祖代々伝わるものであった。
  8. ロッコを殺すため、イタリアンマフィア刑務所からスゴ腕の殺し屋を呼び戻した。
  9. ポーカーをしている悪党達を襲撃した後、スゴ腕の殺し屋と対決。
  10. ロッコの指が現場に落ちていてFBIは誰が犯人か解るが、兄弟達が正しいことをしていると思っているため、捕まえるべきか葛藤する。
  11. FBIが教会で懺悔室でどうすべきか相談し、兄弟を応援することを決める。
  12. 兄弟達3人、イタリアンマフィアに捕まり、ロッコ殺される。
  13. FBIが女装して助けに来る。
  14. 死体のロッコにお祈りをする兄弟の所に、スゴ腕の殺し屋登場するが、兄弟達のお祈りを聞き、仲間であることにお互い気付く。
【MP-60分】 兄弟、誰を成敗すればいいのか本当はわからないのをロッコに打ち明ける。
 
【どん底】 兄弟達3人、イタリアンマフィアに捕まり、ロッコ殺される。

【2ndTP-98分】 死体のロッコにお祈りをする兄弟の所に、スゴ腕の殺し屋登場するが、兄弟達のお祈りを聞き、仲間であることにお互い気付く。

【クライマックス】 イタリアンマフィアのボスの裁判に兄弟+スゴ腕の殺し屋が乗り込み、成敗する。
最後「どこまでやればいいのか?」という問いに「神への信仰をどこまでも持ち続けていけるかどうかだ!」。一般人が悪を成敗することについて、街頭インタビューで色々な意見の中エンドロール。

脚本として学ぶ所
  1. 全ての制裁(殺し)のシーンは回想シーンとなっていて、FBI等が解説して軌跡を追う構成となっており、最後の制裁(クライマックス)は時間軸を戻さずそのまま撮っている。面白い手法で、回想のシーンは臨場感がなくなってしまっているが、今まで見たことない演出と感じた。最後のクライマックスをより盛り上げる効果は感じなかった。
  2. ちょっとマヌケなロッコ・オカマに対して「このオカマ野郎!」と馬鹿にするホモのFBIが特に魅力的なキャラで、兄弟も役者がかっこいい。
松本人志著の評価
★★★★★★★★☆☆
「おすすめの映画を紹介しましょう」という書き出しで、かなりの好評化である。

過去まっちゃんのラジオ番組で、マナーの悪い人を成敗したいわぁ的な発言をスルことがあった。また、何か問題があった時に、その場所にいて傍観している人々にも腹が立つと。この映画は、その部分を真正面からとらえた作品。

2013年11月27日水曜日

シンプル・プラン


★★★★★★★★★☆(私の評価)
墜落した飛行機の中から大金を見つけ、くすねる計画をたてるサスペンス。
1998年、アメリカ、122分

【事件-13分】 440万ドルを見つける。

【1stTP-30分】 50万ドルだけ飛行機に戻しに行くと、兄が近所のおじいさんにバレてしまうことを恐れて殺してしまった。その死体を主人公は事故に見せかけようと運んでいると、実は死んでおらず起き上がり「お前の兄に殴られたから警察を呼べ」と騒ぐ。そこで主人公は意を決して再度殺す。

エピソード

  1. 父親がお金に困っていたのは、主人公が大学に行ったためだと知る。
  2. 妻、図書館で誘拐犯の身代金であったことを調べあげる。
  3. 子供が生まれる。
  4. 友人ルーをはめ、自供している所をテープに収めるよう主人公の妻が提案する。
  5. 兄を家に招く。父親は自殺だったことを知る。
  6. ルーの葬式⇒ルーの家で酔いつぶれている兄を警察が届ける。
  7. 兄の夢。結婚・たくさんの子供・農場で仕事。兄の昔の彼女は、友達と賭けをしていたので自分と付き合ってくれたことを告白。

【MP-72分】 ルーとルーの妻を殺してしまう。
 
【どん底】 FBIが飛行機を捜査に来る。

【2ndTP-97分】 妻から、FBIが偽物で、犯人の一味だということを知る。

【クライマックス】 飛行機を見付けた途端、偽FBIは警察を殺す。その後、主人公が偽FBIを殺す。そこで兄が罪を持ったまま生きていけないから殺してくれと頼む。兄を殺す。
本物のFBIから金の番号がメモられており、使ったらバレることを聞き、全ての金を燃やす。

脚本として学ぶ所

  1. 妻の指示が、賢い指示だと思えるのだが実際やってみると、ハプニングをまねく。
  2. 兄が頭が弱い設定なのが、ストーリーを転がすのにいい役目をしている。ある意味ズルいし卑怯、だって面白くなるじゃん。困ったちゃんを登場させると話が面白くなるということ。
  3. 人を殺してしまった後の右往左往がうまい。主人公の判断に妻がケチをつけたり、妻だったら同じことをしたか?と聞いてみるが、妻は何も言わず抱きしめるだけだったりとか。
  4. 兄のメガネのテープで修理したあとが、いい味(脚本は関係ないが)
  5. クライマックス、FBIのバッジを見せてもらわないで進む展開が、早く言えよとこちらの気持ちをヤキモキさせる。

松本人志著の評価
★★☆☆☆☆☆☆☆☆
当時はビデオで見たのでしょう、字幕が雪の背景の上に白文字で書かれて、読めずに入り込めなかったため評価が低いとのこと。(DVDはしっかり読めるようになっているのは、松本氏のこの本のおかげかもしれない)「わりと好きなタッチ」の映画であるが、最後、偽FBIが簡単に警察に信じられる所から、疑問ばかりが浮かんで来たと、心理ドラマが売りなので、人間の感情として、なんでそういう行動をとるのか理解できない所があり、わけわからん映画になっている。しかし、ブリジット・フォンダの貧乏な生活はイヤだ的なセリフは絶賛していて、泣きそうになったとのこと。

まっちゃんの視点は、すごく勉強になる。ただ、現在進行形の貧乏な男としては、妻にあのセリフ言われたらキツイなと思いながら見てました。



2013年11月22日金曜日

運動靴と赤い金魚


★★★★☆☆☆☆☆☆(私の評価)
イランの貧困層の話。1足の靴を妹と交代で履き学校に行く日々。アリは3位をとると靴がもらえるマラソン大会に出るが、1位を取ってしまいベソをかく。数々の映画祭で賞を受賞した感動作。

【事件-4分】 妹の靴を八百屋の入り口に置き買い物していると、その靴がなくなる。

【1stTP-16分】 アリ(兄)と妹は1足の靴を交代に履いて学校に行くことにする。

エピソード1 妹、アリの待つ場所へ急いでいると片方の靴をドブに流してしまう、通りがかったオジさんに助けてもらうが、片方の靴はビショビショ。

 【MP-45分】 妹、学校で失くなった自分の靴を履いている生徒を見つけるが、その女の子の父親が盲目だとわかり「返してくれ」と言えなくなる。

エピソード2 父親とアリ、庭師のバイトをして稼ぐが、帰り道、自転車のブレーキが効かず怪我。 

【どん底】 妹の靴を捨てて新しい靴を履いて登校する女の子。(以前にペンを拾ってもらった)

【2ndTP-70分】 マラソン大会の3位の景品が靴だとわかり、アリ出場することにする。

【クライマックス】 ライバルに転ばされたりしながら、がんばるアリ。混戦となり1位となってしまい、落ち込む。(父親の買い物のシーンの挿入・自転車にはアリと妹の新しい靴が結んである)、帰ってきたアリの靴が変わっていないのを見て、黙って去る妹。素足になるとアリの足は、傷だらけ。その足に赤い金魚が優しく集まる。

脚本として学ぶ所
1,他の女の子が妹の靴を履いているのが分かるが、そのチャンスをのがす。
2,靴のドブ流れのシーンで助けてくれたオジさんが雑で、また流されそうでハラハラさせられた。
3,靴がないのにマラソン大会に出るという発想。
4,マラソン大会中、妹が走っているカットバック(妹のためアリが必死なのが伝わった)
5,道に水を毎日撒いているババア。



松本人志著の評価
★★★★★★☆☆☆☆
松本氏は、「まあ好きやなあ」という映画と語っている。最後の終わり方には難をつけている。ただ、ハリウッド映画と対比した時に、この映画の地味さが際立って、相対的に評価が高くなってしまう贅沢な映画であるとも語っている。派手な映画ばかりな中だから評価できると。

2013年11月21日木曜日

エイミー




★★☆☆☆☆☆☆☆☆(私の評価)
ロック歌手のパパがステージで感電死するのを目撃し、
聞くことも、しゃべることもできなくなった9歳のエイミー。
引っ越したメルボルンには、風変わりな隣人達がたくさん。
その隣人達と「歌」で会話することによりエイミーは徐々に
明るくなっていく。
エイミーが病弱にみえて、可愛く見えないのが評価が低い理由のひとつ。
開始から75分の2ndTPまで、ストーリーに引き込まれるような魅力を感じなかったのが大きな理由。

【事件-開始8分】 児童福祉局がエイミーついて調査に来たため、メルボルンに引っ越しを決意。

【1stTP-開始33分】隣人の売れないミュージシャン(ロバート)の前で、エイミーが歌い、歌は聞こえるし、歌は唄えることが分かる。

エピソード1 ママのいない間に、エイミーはロバートと公園にお散歩にいく。

 【MP-開始51分】家の外でラジオを抱えて歌っているエイミーにママは直面する。

エピソード2 ママとロバートがお店で飲んでいると、過去の音楽関係者に会い、ママはパパの感電死の情景を思い出し、号泣する。

 エピソード3 隣人の男の子ザックが両親のケンカが治まるのを、表で泣きながら一人待っている。

【2ndTP-開始75分】エイミー、ザック、ザックの母がいる所にザックの父親が来て大乱闘。エイミーはひとり暗闇の倉庫街に逃げていく。エイミーは児童福祉局に捕らえられてしまうが、ママが迎えに来る前に自分で逃げてしまう。ストリート(道)で歌ってお金を稼ぎパンを食べる。

【クライマックス-開始90分】パパの曲が聴こえ、野外ロック会場に向かうエイミー。ママ達と再開する。そこでエイミーはパパの感電死を思い出した。エイミーの記憶は自分がパパをつまずかさせてしまってパパは死んだと思い込んでいた。実際は違ったことをママと医者が思い出させエイミーは、しゃべることができるようになる。隣人たち全員で、エイミーの治癒を喜ぶ。

脚本として学ぶ所は、
何か事件を起こすために「どうしようもない人物」を登場させればなんとかなるということか。
1,家庭内で喧嘩ばかりして飲み呆けているザックの父親。
2,仕事もせずにバルコニーで歌っている売れないミュージシャンのロバート。
3,そのロバートの姉。ちょっと頭がオカシイ。
4,エイミーを執拗に追いかける児童福祉局の男女2人組。
5,道に水を毎日撒いているババア。



松本人志著の評価
★★★★★★☆☆☆☆
松本氏は、この映画の終わり方を褒めている。エイミーが喋れるようになった以外には何も起こらない所を評価している。その他の隣人たちが幸せになったり、ママと売れないミュージシャンが結ばれたりという結末にならないことが、自然で良いと。
また、歌だけは理解できるエイミーの設定は、赤塚不二夫がバカボンで書いているのを先に知っているので、アイデアとしては新しくないとも言っている。
私は、歌が聞こえるのなら声も聞こえると設定に無理があることに松本氏が文句をいってくれるのを予想していた。まだまだ、松本氏の頭には追いつけない。いつか追いつかないまでも理解できるようになりたい。

2013年11月7日木曜日

ウェイクアップ!ネッド

   
★★★★★★★★☆☆(私の評価)
2人のじいさんが、12億円の当選宝くじをネコババするために発奮するコメディ。
バイクに2人乗りするじいさんが、なんとも痛快!

【事件】 新聞で52人しか住んでいない自分の村に50万ポンドの宝くじの当選者がいることを知り、じいさん2人でその人物を探し、分け前を貰おうと企む。

【1stTP-開始25分】パーティーに来なかったネッドの家にじいさん①が行くと当たりの宝くじを持ったまま、ネッドはショック死していた。その日の夜、じいさん①の夢にネッドが出て来る。じいさん①「怒ってるか?」、ネッド「いいや」その夢を期にネコババすることにする。⇒ここのオレンジ色に包まれボートに乗っている夕景のシーンは良いです。

【MP-開始36分】宝くじの当選者だと偽って電話する。
【MP-開始50分】じいさん②が当選者だと偽り、宝くじの調査員と面談。
【MP-開始59分】村人皆にことの事実を話し協力してもらうことにする。

【どん底-開始70分】ばあさんがバラすと言い出す。
【2ndTP-開始71分】ばあさんには公平がいやなら一銭もやらないと意思表明。
【クライマックス-開始74分】ネッドの葬式に宝くじの調査員が来てしまう。機転をきかせマイケルが死んだこととし難をのがれ、小切手を手にし喜ぶ村人たち。
ばあさんがバラすため村を電動車いすで出て行く。途中バッテリーが切れるが、ばあさんは実は歩けたため、徒歩で電話ボックスへ。そこへ調査員の帰りの車がさしかかった時、くしゃみで電話ボックスにツッコミそうになるが回避。しかし対向車がそれを避けようとして電話ボックスに衝突。ばあさん入りの電話ボックスは宙を舞う。ぶつけたのは戻ってきた神父だった。
皆、楽しんで酒を飲んでいるところへ、じいさん①に若い女性が相談に来る。自分の息子は実はネッドの子だと。しかし、その子を実の子だと勘違いしている豚飼いの男を父親として迎えるためにそのことは伏せて生きていくことにすると打ち明ける。
小高い丘に登り、海に向かい漁師だったネッドに乾杯して、完。

脚本として学ぶ所、ひとつの事件を解決するときにもハプニングを起こしストレートでは解決せずにハラハラさせてくれる。また、ばあさんが実は歩けたり、そのばあさんが隣の街まで歩いていくことはできないとバカにしていたら、電話ボックスを使うために移動していたのだったり。
また、じいさん①がネッドになりすますと言っていたのだが、突然調査員が来てしまい自分の名前を正直に言わざるを得なくなり、俺には成りすまして人を騙すことは出来ないと言っていたじいさん②がネッド役をしなければならなくなったりと、ひとつひとつのドタバタが楽しく、やはり素直にストレートに進めるのではなく、ハラハラさせてくれる所は見習わせてもらった。

松本人志著の評価
★★★★★☆☆☆☆☆
松本氏は、最後、ばあちゃんを殺してしまうのはNGとして、この映画はコメディではないと言ってます。この終わり方はマナー違反だともおっしゃっています。
私はこの映画を面白いと思って見た後、マナー違反だという松本氏の意見を読んで、まだしっかりとは理解できていないカンジです。